◆桜
今回はやはり桜でしょうね。前回が梅でしたから。
桜は北半球の温帯・暖帯に広く分布しますが、花が美しいものは、日本・朝鮮半島
・中国・ヒマラヤ地方に限られます。日本と言えばサクラと言えるくらい、日本にな
くてはならない花ですね。春には毎年桜前線のニュースが流れ、桜餅・桜吹雪・姥桜
など桜にちなんだ言葉もたくさんあります。《万葉集》の時代は梅を詠んだ歌のほう
が多かったのですが、しばらく後の《新古今集》では桜を詠んだ歌が100余首もあり
、このころ梅から桜へと日本人の心境の変化が何かあったのだろうと思われますが、
いったい何があったのでしょうね。
桜で有名な大名は豊臣秀吉ですが、京都の吉野や醍醐の花見は非常に有名ですね。
まさに秀吉は桜文化発展の中興の祖と言えるでしょう。
江戸時代、寛政から天保のころが品種改良や栽培がもっとも盛んで、当時知られた
品種は250種以上あったそうです。しかし江戸時代後期になると桜の人気もかげりが
見え始め、名桜の廃絶が始まりました。幕末、江戸染井村の植木屋から新種染井吉野
(ソメイヨシノ)が売り出されました。このサクラは接ぎ木で容易に増やせ、生育が早
く、花付きが良く、花も大きく、瞬く間に関東一円に広まり、今では日本全国で見ら
れるようになり、サクラといえばソメイヨシノを指すまでになっています。
サクラはバラ科、サクラ属、サクラ亜属の植物の総称で、もともとは特定のものを
指す訳ではありません。しかし、古くはヤマザクラ、明治以降はソメイヨシノを指す
ことが一般的になっています。桜の命は短いと言われますが、それは接ぎ木をしたも
ので、ヤマザクラ、オオシマザクラ、エドヒガンなどは、随分長命のものもあり、中
には樹齢1,000年を超えるものもあります。
梅のときも触れましたが、『サクラ切るバカ、ウメ切らぬバカ』ということわざが
ありますが、《なるべく太枝を切らない。太枝を切るときは必ず根元から切り落とす
。切り口に癒合剤を塗布する。》の3点を守れば、まず枯れてしまう心配はないと思
います。
サクラは盆栽でも楽しめます。ソメイヨシノは向きませんが、現在桜は園芸品種で
300種類程度あり、盆栽で楽しめるものも多く、手のひらに乗るくらい小さな鉢でも
立派に花を咲かせるフジザクラ、燃えるような赤い新芽と白花のコントラストが美し
いヤマザクラ、花の精かと思われるほど妖艶な八重ザクラなど盆栽で育てている方も
多いと思います。
サクラの増やし方は実生か接ぎ木ですが、実生では品種によって少し違いますが花
が咲くまで5〜10年ほどかかります。接ぎ木の場合はまず、挿し木で台木を作りそれ
に好みの品種を穂木として接ぎます。この台木と穂木には相性があるので、合わない
ものには着かずに枯れてしまいます。よく調べてから品種の選定をして下さい。
長崎では大村神社の大村ザクラが有名です。こういう私もまだ見たことがないので
、是非2000年春には大村へ花見に行こうと思っています。みなさんもいかがですか。 |