◆梅
冬の花といえば梅、万葉集には梅の歌は104種、桜の歌は38種と圧倒的に梅の歌が
多く詠まれています。原産地は中国ですが、かなり古くから日本へは伝わっていたと
思われます。
松竹梅はお祝い事にはつきものですが、中でも梅はお正月にはなくてはならないお
花になっています。そして花見と言えば現代は桜を思い浮かべますが、梅の花も非常
に魅力的で、甲乙つけがたく、実際に昭和初期には日本の国花は梅と桜のどちらがい
いか争われたことがあったそうです。
梅派の人達は、「桜は春爛漫の浮華軽佻な木である」といい、梅こそ寒風に立ち向
かい、忍耐と覇気があり、高潔な美しさがあり、まさに日本を代表する花としてふさ
わしいと主張したそうです。なんとなく分かるような気がしますね。
桜は中国から世界中に広まり、人気があり世界中いろんな所に植えられていますが
、梅はどういう訳か同じ中国産の似たような花木なのに、中国、日本、朝鮮半島でし
か多くは見かけないようです。
梅は梅干や梅酒など果実もいろいろと利用されていますが、戦国時代から江戸時代
初期の頃、梅の実が糧食として重宝され、次第に諸国、各藩で栽培されるようになり
ました。
藩が栽培を奨励するところもあり、中でも水戸藩藩主・徳川斉昭は藩内各所に梅を
植えさせ、藩校の脇には梅を讃える碑まで建てています。斉昭創設の偕楽園は今でも
観梅の名所として広く有名です。
梅はバラ科サクラ属ウメ亜属の植物で、桜の近縁種ですが、アンズはもっと近縁で
、梅とアンズでウメ亜属を形成し、この間での交配雑種も多く、その中には自然雑種
もたくさんあります。江戸時代には梅にも番付があり、これに載っている品名だけで
200種類以上あったそうなので、当時の梅の品種すべて数えたらいったいどれくらい
あったか、凄い数であったろうと思います。
江戸時代は園芸が非常に盛んで、梅だけではなく、菊、朝顔、椿、桜、万年青など
いろんなものが好んで育てられました。
梅は手をかけないと花付きが悪くなります。『桜切るバカ梅切らぬバカ』とよく言
いますが、桜はむやみに切ったら樹勢が衰えたり、そこから枯れたり、花付きが悪く
なったりしますが、梅は適当に切ってあげることによって枝を老木から若木に更新さ
せ、花芽をたくさん付けさせる事ができます。
植物は種類によって育て方が随分違うので、肥料の種類や、やり方、剪定の時期や
方法など安易にやってしまうと、最悪の場合枯らしてしまいます。分からないときは
、聞いたり調べたり、愛をもって育ててください。
お正月には梅を生かしたお花を飾ってみましょう。 |